2023 年9月23日(土)ついに土曜特別講座がキックオフ!
初回に相応しい講師が登壇してくれました。ライフヒストリーが書籍化され、
社会起業家として注目を集める仲本千津さん。東京・神楽坂のオフィスと宇和高校を結
んでのオンライン講座。トークイベントやラジオ出演が続く忙しい最中に、エネルギッ
シュに2時間も熱く語ってくれました。
仲本さんは、2015 年、アフリカ・ウガンダ共和国のシングルマザー支援のために、
バッグブランド RICCI EVERYDAY を創業。カラフルなアフリカンプリントを使った
個性的なデザインが人気を集めています。商品はすべて、made in ウガンダ工房.
高い縫製技術を誇る女性の職人によって、一つ一つ、丁寧に作られています。
実際に商品を手にすることもできて、生徒たちは、興味深々。
講義の前半は、ウガンダの歴史や文化、社会問題を解説。
工房の職人たちは、生活費や養育費を十分に稼ぐことができず、貧困に苦しんでいた
シングルマザー・・・仲本さんが、どんな風に笑顔いっぱいの工房を作り上げているか、
その工夫や努力が分かりました。
そして、アフリカン布の柄についてのクイズタイムも!珍回答が続出。
日本とアフリカの文化の違いも体感できて、多いに盛り上がりました。
後半は、ファッション業界の深刻な問題について。じつは、石油業界の次に、環境を汚
染している産業とも言われているのです。仲本さんのユニークなサステナブルな取り組
について語ってくれました。ファッションを通じて、SDGs を学べた貴重な時間でした。
バッグのデザインの多くを仲本さんが手がけています。
でも、ファッションスクールも、デザイン学校にも通ったことがないんです。 自分や知り合いが欲しいと思うデザインをカタチにしていったそう！
ブランド開業にあたり、仲本さんがビジネスパートナーに抜擢したのは、就職経験ゼロ、専業主婦だったお母さん。
目をつけたのは、四人の子供とお父さんのスケジュールを管理しながら 家事をこなす、段取りのよさ。そして、PTA 役員も上手にこなしてきたコミュニケーション力。「かーちゃんパワー」に、高いビジネススキルを 見出したのです。
ファッション業界の闇にぶちあたった仲本さん。サステナブルなオリジナル商品を作ることを決意。
わずかな情報をもとに、素材探しの旅に・・・インスピレーションがウリの仲本さんが、じっくり時間をかけて試行錯誤しながら、サステナブルな新しいバッグ商品を生み出しました。
静岡県出身、一橋大学院法学研究科(修士)。三菱 UFJ 銀行に入行。2011 年退社後、アフ リカ支援 NGO スタッフとしてウガンダに赴任、農業支援にあたる。2015 年シングルマザー の生活支援のためにアフリカンプリントのバッグブランドを創業。日本イノベーター大賞特別 賞受賞など、社会起業家として注目を浴びている。2023 年6月、ライフヒストリーが書籍 化。『私 アフリカで、バッグの会社はじめました』は進路に悩む若い世代に反響を与えている。
２時間強の講義・・・じつは４時間分に匹敵するボリューム。 仲本さんが、宇和高に伝えたい内容が、ぎゅぎゅっと 詰まった濃厚な学びの時間でした。日頃、自分の気持ちをあげて くれるファッションが、「社会を救う」パワーも秘めている ― 生徒たちは感じられたのではないでしょうか。 次回は、ウガンダの工房と宇和高をつなぐ講座ができたら いいな。